Clara Whitmore · 更新日 2026年10月7日

13分読了

メールブロードキャスト入門:仕組み、サービスの選び方、最初の 4 週間

メールの一斉配信(ブロードキャスト)とは何か。トランザクションメールや自動化との違い、目的別のサービスの選び方、1 万人のリストでの費用の目安、始めてから 4 週間の進め方を整理します。

メールの一斉配信は、2026 年になっても、読者に直接届く数少ない手段です。SNS のようにアルゴリズムで表示が決まらず、連絡先のリストは自分の資産として手元に残ります。ただし「一斉配信サービス」と一口に言っても、ニュースレター向け、通販向け、アプリの通知向けでは作りがまったく違います。この記事では、ブロードキャストの基本から、目的別のサービスの選び方、1 万人のリストを想定した費用の見方、始めてから 4 週間の進め方までを順に説明します。

ブロードキャストとは何か:ほかのメールとの違い

ブロードキャストは、リスト全体、またはその一部に、同じ内容のメールを同時に送る配信です。パスワードの再設定や領収書のように、1 人の操作をきっかけに 1 通だけ送るメールとは、目的も法的な扱いも、受信側の評価も違います。

種類 きっかけ 例 主に気をつけること
ブロードキャスト 送り手が決めた日時 ニュースレター、セールの告知、イベントの案内 同意の有無、配信停止、苦情率、頻度
自動化(シーケンス) 登録や購入などの行動 歓迎メール、カート放棄のフォロー 条件の設計、途中で抜ける条件、配信停止の反映
トランザクション 1 人ひとりの操作 パスワード再設定、領収書、アカウント通知 確実に届くこと、販促と別のストリームで送ること

ブロードキャストの代表的な使い方は 4 つあります。ニュースレター(定期的な読み物)、キャンペーン(商品、セール、イベントの告知)、お知らせ(会社や製品の更新)、教育コンテンツ(使い方や知識の連載)です。この区別は、どのサービスを選ぶかに直接つながります。ニュースレターには編集と読者管理が、キャンペーンには商品データの連携が、お知らせには製品の状態との連動が必要になるからです。

最初に決めるのは、機能ではなく「何を送る仕事か」

「いちばん良いサービス」を探しても、答えは出ません。目的によって、重視する条件が違うからです。次の表は、送る仕事ごとの入り口になるサービスです。

送る仕事 まず試すサービス 理由 向かないケース
ニュースレターの定期配信 Kit、beehiiv、Buttondown、MailerLite 編集画面、登録フォーム、読者の分類が最初から揃っている パスワード再設定など、操作をきっかけにするメール
通販のキャンペーン Klaviyo、Omnisend 購入履歴や商品データで配信先を絞れる 商品を持たない、文章中心のニュースレター
製品のお知らせ・ライフサイクル Customer.io、HubSpot 製品内の行動や、顧客の状態を配信条件にできる 数百人規模の個人ニュースレター。機能が多すぎる
アプリが自動で出す通知 Resend、Postmark 配信イベントとログを開発側で扱える 読者リストの管理や編集の運用
営業と連動する配信 ActiveCampaign、HubSpot クリックを起点に、営業への引き継ぎまで分岐できる 分岐を保守する人がいない小さなチーム

迷ったときは、「配信先を決める条件」が何かを考えてください。文章を読んでくれる人なら、登録フォームと編集画面が良いサービスが合います。購入履歴なら通販向け、製品内の行動ならライフサイクル向けです。条件に使うデータがどこにあるかで、選べる範囲が自然に絞られます。

主なサービスの向き不向き:15 サービスの早見表

上の表で「入り口」を決めたら、次の表で各サービスの強みと境界を確認します。料金は書いていません(各社の公式ページで確認してください)。代わりに、最初の 1 週間で試すとよい小さな検証を添えました。

サービス 向いている用途 強み 境界(合わない場面) 最初の検証
Kit(旧 ConvertKit) 個人の書き手、クリエイター フォーム、タグ、シーケンスがそろい、読者との関係を自分で持てる 通知メールや、製品内の行動を軸にした複雑な配信 1 号を送り、書き出しと配信停止、購入者の除外を確認する
beehiiv メディアとして運営するニュースレター ウェブ公開、紹介、レコメンデーションが 1 つの流れで使える 顧客のライフサイクル配信、トランザクションメール 紹介の施策を 1 つ試し、紹介経由の読者の定着を比べる
Buttondown Markdown で書く個人・小さな編集チーム 余計な機能がなく、書いて送る作業に集中できる 高度な自動化、商品の販売、複数チャネルの運用 1 号分の移行と、再取り込み、配信停止を試す
MailerLite ニュースレターと簡単なフォローを小さなチームで 画面が分かりやすく、1 人で運用しやすい イベント設計や売上の詳細な分析 セグメントを分けて 1 通送り、グループの抜け方を確認する
Brevo 配信と通知を 1 社にまとめたい、費用重視のチーム 配信、自動化、トランザクションを 1 つのアカウントで扱える ストリームの分離を設計しないと、販促と通知が混ざる 同じテスト用アドレスに配信と通知を送り、抑制を確認する
Mailchimp 一般的なマーケティング担当者 なじみのある編集画面と、豊富な連携 連絡先課金の増え方に注意が必要。機能の制限がプランで違う 1 通を表示確認し、タグ付きリンクの成果を追う
HubSpot Marketing Hub CRM と連動した配信、営業への引き継ぎ 顧客の履歴と配信条件を同じ記録で扱える ニュースレターだけの運用には大きすぎる ライフサイクルの段階を 1 つ変え、後続の配信が止まるか見る
ActiveCampaign 配信のあとに分岐を続けたい営業・マーケティング タグ、待機、スコアなどの分岐が柔軟 設定が増え、保守する人が必要 配信後の分岐を 1 つ作り、すべての抜け方を試す
Customer.io 製品の行動に応じて配信を変える SaaS イベントと状態をもとに、細かく配信条件を書ける イベント設計の責任者がいないと、精度が出ない 機能公開のイベントを 1 つ使い、対照群を置いて比べる
Klaviyo 購入履歴で配信先を決める通販 商品データと購買行動が、配信の判断に使える ニュースレターのみ、アプリ通知のみの運用 直近の購入者を除外して、商品の案内を 1 通送る
Omnisend メールと SMS を組み合わせる小売 注文、カート、販促の流れに沿った配信 SMS の費用と、チャネルごとの同意の管理 メールのみの群と、同意済みの SMS 併用群を比べる
Campaign Monitor 見た目を整えた配信、代理店のレビュー テンプレートと承認、レポートが分かりやすい 製品イベントに連動した配信 2 人に承認させ、表示と版の管理を確認する
Loops 製品の更新や、利用開始後のフォローをする小さな SaaS 製品の状況を軸にした配信を、軽い運用で組める 読者の獲得、通販の商品データ、複雑な CRM トライアル中の人に更新を送り、課金済みを除外する
Resend アプリが自動で出す製品のお知らせ テンプレートをコードで持ち、変更をレビューできる 読者の獲得や、同意の管理、複雑な配信設計 本番とは別のドメインから送り、冪等性とログを確認する
Postmark 販促と切り離して守りたい通知・領収書 通知用のストリームを分け、配信を安定させる ニュースレターの成長には使えない 通知を 1 つ移し、バウンスと再試行を確認する

1 万人のリストに月 4 回送ると、いくらになるか

料金は「登録者数」「送信数」「機能の追加」のどれに連動するかで、同じ 1 万人でも大きく変わります。ここでは、登録者 10,000 人のリストに週 1 回、月 4 回(合計 40,000 通)送る場合を、公式の料金ページで確認できた数字で並べます。

サービス 月額の目安 この金額に含まれるもの 注意点
Amazon SES(Essentials) 約 $6.40(40 × $0.16) 送信のみ。1,000 通あたり $0.16 編集画面、登録フォーム、読者管理は含まれない。専用 IP は別料金
Kit(Free) $0 購読者 10,000 人まで。ブロードキャストは無制限 自動化とシーケンスは Creator から。ブランド表示の削除も同様
Kit(Creator) $116 購読者 10,000 人の位置。年払い表示。自動化とシーケンスが無制限 年払いを選んだときの月額表示
MailerLite(Comfort) $89 購読者 10,000 人。月払い。月の送信数は購読者枠の 10 倍まで 無料プランは購読者 250 人までなので、1 万人では使えない
Mailchimp(Standard) $135 連絡先 5,001〜10,000 人の帯。月の送信は最大 120,000 通 最初の 12 か月は半額($67.50)の表示がある。13 か月目から定価
beehiiv 10,000 人の価格は未確認 Free は購読者 2,500 人まで、Lite は $49(購読者 1,000 人の位置) スライダーを 10,000 人に合わせて確認する
Buttondown 100 人を超えた分の価格は未確認 最初の 100 人は無料。機能は +$9、+$29、+$79 の追加 スライダーを自分の人数に合わせて確認する

出典:Amazon SES の料金、Kit の料金、MailerLite の料金、Mailchimp の料金、beehiiv の料金、Buttondown の料金(2026 年 10 月 7 日確認)。Brevo の無料プランは 1 日 300 通までのため、月 4 回の 1 万人配信には収まりません。

この表から分かるのは、最も安い選択肢が最もよいとは限らないことです。SES は安いものの、編集画面と読者管理を自前で用意する必要があります。Kit の無料プランは、単純な配信だけなら 1 万人まで費用がかかりませんが、歓迎メールの連続配信を作ろうとした時点で有料に移ります。目的が「週 1 回の文章の配信」なのか、「登録から購入までの自動化」なのかで、同じ表の見え方が変わります。料金ページの金額は変わりやすいので、契約の前に自分の人数で必ず確認してください。

登録者数が増えると、費用はどう動くか

1 万人の例だけでは、成長したときの姿が見えません。同じサービスを、登録者数ごとに並べると、料金の上がり方の違いが分かります。次の金額は、各社の料金ページで読み取った段階の価格です。

登録者数 Kit MailerLite Mailchimp 見方
500 人 Free で $0 Comfort が $10.80(年払い)。Free は 250 人まで Standard が $20 最初は Kit が最も安い。MailerLite と Mailchimp は有料の入り口
5,000 人 Creator が $75 Comfort が $49 Standard が $100(2,501〜5,000 人の帯) MailerLite が安い。Mailchimp は帯が上がる節目
10,000 人 Creator が $116 Comfort が $89 Standard が $135(5,001〜10,000 人の帯) 3 社の差は月 $46 以内に収まる
25,000 人 Creator が $166 Comfort が $179 Standard が $310(20,001〜25,000 人の帯) Kit と MailerLite の順位が入れ替わり、Mailchimp が倍近くになる

Kit の金額は年払いを選んだときの月額表示、MailerLite の 500 人は年払い、5,000 人以上は月払いの表示です。Mailchimp の金額は、公式ページが示す定価です。数字の取り方が揃っていないため、この表は「どの段階で順位が動くか」を見る目安として使ってください。

年間の費用に直すと、差がもう少し見えやすくなります。月額に 12 を掛けた単純な計算で、割引や超過分は含みません。

登録者数 MailerLite Comfort の年間 Kit Creator の年間 差額
5,000 人 $49 × 12 = $588 $75 × 12 = $900 年 $312
10,000 人 $89 × 12 = $1,068 $116 × 12 = $1,392 年 $324

表の程度の年間差額なら、料金だけで決める必要はありません。Kit は無料プランの範囲が 10,000 人まで広く、フォームや商品販売を組み合わせたい人に向きます。MailerLite は有料の入り口から安く、1 人で運用する画面の分かりやすさに強みがあります。自分が何に時間を使うかで、決めて構いません。

無料プランの上限を比べる

無料で始められるサービスは多くありますが、上限の種類が違います。人数で縛るもの、送信数で縛るもの、期間で縛るものがあります。

サービス 無料の範囲 上限の種類 無料のままでは使えないもの
Kit 購読者 10,000 人まで。配信は無制限 人数 自動化、シーケンス、ブランド表示の削除
beehiiv 購読者 2,500 人まで。送信は無制限、パブリケーション 1 つ 人数 有料購読、自動化、A/B テスト
MailerLite 購読者 250 人まで。月 2,500 通まで 人数と送信数 有料プランの機能(上位プランで解除)
Mailchimp 連絡先 250 人まで。月 500 通、1 日 250 通まで 人数と送信数 上限を超えると送信が止まる表示がある
Brevo 1 日 300 通まで。連絡先は 100,000 人まで保存 1 日の送信数 1 日の上限があるため、大きなリストへの一斉送信には向かない
Buttondown 購読者 100 人まで 人数 有料購読、自動化などは機能ごとの追加料金

Brevo の 1 日 300 通は、1 万人のリストに送るなら、33 日以上かかる計算です(10,000 ÷ 300 ≒ 33.3)。人数の制限が緩くても、1 日の上限が配信の設計を縛ります。無料プランを選ぶときは、「何人まで」だけでなく、「いつまでに全員に届けたいか」から逆算してください。

配信を始める前の準備

1. 送信元ドメインを認証する

SPF、DKIM、DMARC の設定は、どのサービスを使う場合でも最初にやる作業です。手順と、Gmail・Yahoo の要件は、ブロードキャストメールの到達率で詳しく説明しています。

2. 許可を得た人だけをリストに入れる

登録した人にだけ送ることは、日本でも原則です。広告・宣伝メールは特定電子メール法の規制対象になるため、同意の取り方や表示事項は、総務省のガイドラインで確認してください。購入したリストや、名刺交換だけで集めた連絡先は、苦情の原因になります。

3. 登録フォームに、何をどのくらいの頻度で送るかを書く

「毎週金曜に、〇〇についての記事を送ります」と書いておくと、期待と実際のずれが小さくなり、苦情が減ります。歓迎メールには、登録のお礼に加えて、次に届く内容と配信停止の方法を入れておきます。

4. 既存の連絡先を移すときは、段階的に

ほかのサービスからリストを移すときは、反応のある人から順に送ります。古いリストを一度に全員へ送ると、存在しないアドレスや、登録を忘れた人からの苦情が一気に出ます。

5. 配信の記録を残す

配信するたびに、日付、配信先の条件、人数、件名、バウンス数、苦情数、配信停止数、クリック数を、スプレッドシートに 1 行ずつ残します。サービスの管理画面にも履歴はありますが、乗り換えたときに引き継げません。1 回の記録は 2〜3 分で終わり、半年後に「いつ頃から反応が落ちたか」を調べる材料になります。

読者に読まれる配信の作り方

  • 件名で内容を約束し、本文で守る:件名と本文がずれると、開封はされても、クリックされず、苦情が増えます。
  • 1 通に 1 つの目的:読んでほしい行動(記事を読む、予約する、購入する)を 1 つに絞り、リンクもそこへ集めます。
  • スマートフォンで確認する:多くの読者がスマートフォンで開きます。本番の前に、自分の端末で、文字の大きさ、ボタンの押しやすさ、画像が表示されない場合の見え方を確認します。
  • 差出人名を固定する:読者は、見覚えのある名前のメールを開きます。個人名とブランド名のどちらにするかを決め、変えないでください。
  • セグメントで内容を変える:購入済みの人に購入前の案内を送らない、反応のない人には頻度を下げる、といった絞り込みから始めます。

送信ボタンを押す前の 12 項目

番号 確認すること 確認の方法 合格の目安
1 差出人名と返信先 テスト送信を Gmail の受信トレイで開く 読者が見覚えのある名前で、返信が自分に届く
2 件名とプレヘッダー 受信一覧で、スマートフォンの表示幅で見る 件名が途中で切れても、要点が伝わる
3 すべてのリンク テスト送信で 1 本ずつ押す リンク切れ 0 本、遷移先が意図どおり
4 配信停止のリンク テスト用アドレスで実際に停止する 1 クリックで完了し、ログインが不要
5 画像が表示されない場合 画像の読み込みをオフにして表示する 代替テキストで、内容が伝わる
6 スマートフォンでの表示 iPhone と Android の実機で見る 横にスクロールせず、ボタンが押しやすい
7 ダークモード 端末の外観をダークにして表示する ロゴと文字が背景に埋もれない
8 計測用のパラメータ(UTM) リンクの URL を確認する 配信ごとに、キャンペーン名が区別できる
9 配信先のセグメント プレビューで、人数と条件を見る 購入済み、配信停止済みが除外されている
10 ドメイン認証 ソース表示で SPF・DKIM・DMARC を見る 3 つとも PASS
11 送信日時 タイムゾーンと日付を確認する 日本時間で予定どおり
12 配信後の見張り 最初の 24 時間に、バウンスと苦情を確認する 異常があれば、次の配信を止められる

1 号の構成例:週 1 回のニュースレター

読み物を中心にしたニュースレターの 1 号は、次のような順に組むと、最後まで読まれやすくなります。数字は、決まりではなく、組み立ての目安です。

順番 内容 長さの目安 役割
1 冒頭の一言 2〜3 文 今号で何が得られるかを先に伝える
2 主な記事 600〜1,000 字 この号の核。1 つの話題に絞る
3 関連リンク 3 本 各 1〜2 文 興味のある人を、サイトの記事に案内する
4 読者への問いかけ 1〜2 文 返信を促す。返信は良い合図になる
5 フッター 差出人、配信停止、頻度の案内 配信停止を見つけやすくして、苦情を防ぐ

成果の測り方:開封率だけを見ない

配信後は、いくつかの指標を組み合わせて見ます。目安となる「業界平均」は、業種や読者層で大きく変わるため、他社の数字ではなく、自分の過去の配信と比べてください。

指標 何を表すか 読み取るときの注意
開封率 件名と差出人が読者に届いたか Apple のメールプライバシー保護が有効な場合、実際に読まれなくても開封と記録されることがある。傾向を見る程度にとどめる
クリック率 本文が行動につながったか リンクの数や位置で変わる。同じ形式の配信同士で比べる
配信停止率 内容や頻度が合っているか 急に上がったら、直前の配信の内容と頻度を見直す
苦情率 迷惑メールとして報告された割合 Gmail は 0.10% 未満を求める。配信サービスの管理画面と Postmaster Tools の両方で確認する
売上・予約・登録などの成果 配信が事業に効いたか 計測用のリンク(UTM)を付け、同じ期間の自然な流入と分けて見る

よくあるつまずき

つまずき 起きること 予防
同意のないリストに送る 苦情が増え、評判が下がる 登録の経緯を記録し、出所を説明できないリストは使わない
数か月あけて突然送る 読者が内容を忘れ、迷惑メールとして報告する 頻度を決めて、短くてもよいので続ける
全員に同じ内容を送る 関係のない人の反応が下がり、全体の成績を押し下げる 購入済み・未購入、反応あり・なしで内容を変える
料金の入り口の金額だけで選ぶ 人数が増えた月に費用が急に上がる 半年後と 1 年後の人数で料金を試算する
配信停止の反映が遅い 停止した人に届き、苦情になる 停止から次の配信までに反映されるか、テストで確認する

始めてから 4 週間の進め方

週 やること 終わったと言える状態
第 1 週 目的を 1 文で書く。サービスを 2 つに絞り、公式の料金ページで自分の人数の金額を確認する 選んだ理由を、人に説明できる
第 2 週 ドメインを認証し、登録フォームと歓迎メールを作る。自分と同僚のアドレスで登録をテストする 認証が PASS で、歓迎メールが届き、配信停止が動く
第 3 週 最初の配信を、反応の見込める小さな層に送る バウンスと苦情が少なく、リンクが正しく動く
第 4 週 結果を見て、頻度、件名、内容の方向を決める。配信先を広げる 次の 1 か月の配信予定と、見る指標が決まっている

配信頻度を決める目安

頻度 向く内容 注意
月 1 回 調査や長い読み物、月次のまとめ 間が空くので、差出人名と件名の形式を毎回そろえる
隔週 連載、事例紹介 配信日を固定して、読者が待てるようにする
週 1 回 ニュースレター、コラム 最も一般的。内容の質を保てる範囲で続ける
週 2 回以上 セール期間、速報性のある情報 期間を限定し、事前に案内する。配信停止の理由になりやすい

配信まわりの用語を整理する

サービスの画面や料金ページには、似た言葉が並びます。意味を取り違えると、料金や設定を読み誤ります。

用語 意味 見落としやすい点
ダブルオプトイン 登録後に送る確認メールのリンクを押して、初めて登録が完了する方式 確認メールが届かない人の分、登録数は減るが、リストの質が上がる
セグメント 条件で絞り込んだ配信先の一部 条件に使う項目が、サービスのプランで制限されることがある
タグ 読者に付ける印。購入済み、特定の記事を読んだ、など タグの数や使える機能が、プランで違う
抑制リスト 配信してはいけないアドレスの一覧。配信停止、ハードバウンス、苦情を含む サービスを移すときに、これを書き出さないと、停止した人に送ってしまう
アクティブな購読者 料金の計算に含まれる読者の定義 サービスにより、停止済み・未反応の人が数に入るかが違う。Buttondown は、実際にメールを受け取っている人を数えると説明している
UTM パラメータ リンクに付ける、流入元を識別する印 付けないと、配信が成果につながったかを、サイト側の分析で追えない
テイクレート 有料購読の売上から、プラットフォームが取る割合 beehiiv は 0% と表示。決済会社の手数料は別に引かれる

よくある質問

無料のサービスから始めて、あとで乗り換えられますか。

乗り換えられます。連絡先は、メールアドレスを軸に CSV で書き出して移せます。ただし、過去の配信の記録、自動化の設定、購読者のタグや購入情報などは、そのままでは移りません。無料のサービスを選ぶ場合も、連絡先のほかに何を書き出せるかを、最初に確認してください。

ブロードキャストとニュースレターは、同じものですか。

ほぼ重なりますが、同じではありません。ニュースレターは、定期的に出す読み物の形式を指し、ブロードキャストは、リスト全体に同時に送る配信の方法を指します。セールの告知や、イベントの案内は、ニュースレターの形をとらない一斉配信です。

配信頻度は、どのくらいがよいですか。

決まった数字はありません。登録フォームで約束した頻度が基準です。月 1 回と伝えて登録してもらった人に、毎週送れば苦情が増えます。頻度を上げたいときは、案内を出し、配信停止の受け皿として、頻度を選べる設定ページを用意します。

小さなリストでも、専用のサービスは必要ですか。

数十人から数百人に送るだけなら、無料の枠のあるサービスで十分です。Kit は購読者 10,000 人まで、beehiiv は 2,500 人まで、MailerLite は 250 人までの無料プランがあります。ただし、無料プランでは、自動化やブランド表示の削除など、使える機能が限られます。登録者が増えそうな場合は、最初から、有料の段階の料金を確認しておくと安心です。

1 日に何通まで送ると、要件が厳しくなりますか。

Gmail に 1 日 5,000 通を超えて送る送信者は、大量送信者として扱われ、SPF・DKIM・DMARC の 3 つの認証と、ワンクリック配信停止が必要になります。1 万人のリストに週 1 回送る場合、Gmail 宛ては全体の一部でも、配信日には 5,000 通を超えることがあります。リストが 5,000 人を超える前に、設定を済ませてください。

無料から有料へ切り替える目安はありますか。

目安は、次の 3 つのどれかに当たったときです。登録者数が無料の上限(Kit は 10,000 人、beehiiv は 2,500 人、MailerLite は 250 人)に近づいたとき、歓迎メールや購入後のフォローなど、自動化が必要になったとき、ブランド表示を消す必要が出たときです。切り替える前の月に、自分の人数での料金を、公式ページで見直してください。

ダブルオプトインは必須ですか。

公式の要件ではありませんが、おすすめします。確認メールのリンクを押した人だけが登録されるので、入力ミスのアドレス、他人が勝手に登録したアドレス、ボットの登録が減ります。確認の手間の分だけ、登録数はいくらか減ります。その代わりに、残る読者の質が上がり、苦情やバウンスが少なくなります。減る割合はフォームの作りと読者層で変わるため、最初の 1 か月は、確認メールの到達率と、確認を終えた人の割合を自分で記録しておくと判断しやすくなります。

Gmail のプロモーションタブに入るのは悪いことですか。

悪いことではありません。Gmail が内容や形式から自動で振り分ける結果で、迷惑メールフォルダとは別の扱いです。読者が自分で「メイン」に移す操作もできます。大切なのは、受信トレイ系の場所に入っているかどうかで、タブの違いを無理に避けようとしても、配信全体の成績はあまり変わりません。

まとめ

ブロードキャストは、複雑な技術ではなく、いくつかの基本の積み重ねです。許可を得た人にだけ送り、約束した頻度を守り、配信停止を簡単にし、数字を自分の過去と比べて見る。サービスは、目的と配信先を決める条件で絞り、料金は半年後の人数で確かめます。具体的な比較は、Buttondown と beehiiv、Buttondown と Kit、Campaign Monitor と Mailchimpで扱っています。配信の内容や頻度の考え方は、ニュースレター運営の実践ガイドに続きます。開発者がアプリから送る場合は、開発者向けのページも参考にしてください。

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